金華山と女川町の記録

2017年5月11日木曜日

■金華山 クライミング

今回の宝島フェスティバルで訪れた石巻市、女川町、金華山は
東北大震災で震源地に最も近く甚大な被害が出た地域だ。
自分が訪れた場所で何が起こったのか、ツアーとあわせて記録する。


◆金華山
 震災時に金華山にいた方が、当時の状況を詳しく書かれているので引用させていただく。
 ”震源地に最も近い金華山で命がけの避難と大津波の激突目撃 東日本大震災に遭遇して1
 
 自分が金華山で見た景色の後だと実感がやはり違う。
 発生時の崩れた参道の様子、巨大な津波、避難の緊張感が伝わってくる。
今回の参道入口

 今回乗船した船の座席ポケットに、震災直後の避難を記録したファイルがあり
 船で沖へ避難する様子、引波の瓦礫など、乗務員の方が撮影した写真と説明が綴られていた。
 少し解像度の低い画像のせいか、当時のよりリアルな感情が伝わってくる。

 現在は金華山港に新しく休憩所が建てられ、定期船も就航し、観光客も多かったが
 まだまだ周辺の復旧工事中となっている。
 作業員の方たちは金華山まで毎日船で往復しながら工事されていると聞いた。
金華山の港

◆女川町
 女川町に入る前に「石巻バイパス仮設住宅」が長く建ち並んでいた。
 以下の記事にその仮設住宅の写真と取り組みが記載されている。
 ”震災5年 「心の動揺」おさまらず 仮設住宅の「悩み」を調べると…

 さらに進むと海岸沿い道路に入り、石巻線浦宿駅や
 セブンイレブン宮城女川店に着くころまでには新しい建物が一気に増える。

 女川港周辺は更地ばかりだ。
 車のナビでは道路がない場所を走っている。
 辺りを見て、どのくらいの高さまで津波が来たか想像してみたが
 後日確認すると想像を超える高さまで被害が及んでいた。

 女川駅周辺はGW中で観光客が多く、とても活気づいていたし
 温泉や駐車場など快適に過ごすことができた。
 それらの施設も、もちろん全て震災で流された後に作られたものだ。
津波で流された駅舎の後に新しくできた女川駅
駅と海の間にできたシーパルピア女川とハマテラス




 【女川町の被災状況】
 http://www.town.onagawa.miyagi.jp/ayumi.html
 ・震度: 震度6弱を観測(女川原子力発電所の震度計)
 ・津波最大波高: 女川漁港の消防庁舎で海抜14.8mを記録
 ・震災時の人口: 10,014人
 ・人的被害: 827人(死亡判明・認定、行方不明)
 ・人的被害比率: 8.26%
 ・一般家屋被害総数: 3,934棟(89.2%)

 14.8mという津波の高さは、このブログを読んでる方が一番わかりやすいのは
 リード壁の高さだろうか。しかも、かなり高く見上げる壁だ。

 ほぼ全ての家屋が被害を受け、2~3世帯に1人の方が被害を受けた事になるが
 お店の方たちの笑顔からはとても想像できなかった。


 女川町が発行している記録誌には詳しい震災前後の様子や、復旧作業などが載っている。
 http://www.town.onagawa.miyagi.jp/kirokushi.html

 女川港の津波の様子を撮影した動画も多数You Tubeにアップされている。
 どの資料を見ても、自分が見てきた風景から推測するより遥かに甚大な被災状況だった。


 そして、現在はどのくらい復興計画が進んでいるのか?
 宮城県が発表している復興進捗状況がわかりやすい。
 10ページ目から項目ごとにグラフで計画と進捗状況が見れる。
 https://www.pref.miyagi.jp/site/ej-earthquake/shintyoku.html


 女川町はホタテ、アワビ、ホヤ、牡蠣の養殖や
 国内有数のサンマ、ギンザケの沿岸漁業など美味しい特産品が多いとのこと。
 自分が訪れた時も活気があり充分楽しい時間を過ごしたが
 今後、経済・商工・観光が発展していくとさらに賑やかになるだろう。
 宝島フェスティバルようなイベントを継続することは、やはりとても重要だと思う。
 
 帰り道からは海辺いっぱいに広がる養殖場の景色が見えた。
 海無し県で育った自分には「豊かな海」とはこういう景色なのかと感じた。

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